解体火災現場で出会った奇跡の猫
解体火災現場で出会った奇跡の猫
火災現場の解体工事の見積調査で現場に伺いました。私は火災現場の燃え残ったがれきの調査を行っていました。そのとき、ふと瓦礫の隅からかすかな鳴き声が聞こえてきたのです。
「まさか猫?」と思い、声のする方に向かいました。そこには、火傷を負った野良猫がいました。後ろ足の一部の毛は焼け焦げ、皮膚はただれて痛々しい状態でした。その猫は恐怖と痛みに震えながらも、必死に生きようとしているようでした。私は放っておけず、すぐに救出を試みました。
火災現場から猫を抱きかかえ、動物病院に急行しました。診察の結果、猫は深刻な火傷を負っていることが分かりました。獣医師は丁寧に治療を施し、「この子が回復するには時間がかかるでしょう」(メス約6か月)と言いました。私はこの猫を家に連れて帰り、懸命に看病することを決意しました。
家に戻ると、先住猫のティコ(オス)が出迎えてくれました。ティコはこの見知らぬ猫に興味津々でしたが、1歳とまだ若いので、すぐに優しく受け入れました。傷ついた猫に「ミイミイ」という名前をつけました。ミイミイは最初は警戒して「シャアア」と言いましたが、次第にティコの優しさに心を開き始めました。
野良猫ミイミイは、人間の私には、未だに警戒して触らせてくれませんが、ティコの後をずっと追いかけていきます。
ミイミイの治療と通院は順調に進み、毎日少しずつ元気を取り戻していきました。私たち家族は交代でミイミイの傷を手当てし、愛情を込めて世話をしました。野良猫なので、通院する前に捕まえるのも、一苦労です。
しかし、少しずつミイミイも私たちに信頼を寄せるようになり、日々の生活が楽しいものになっていきました。
ミイミイはいつもティコのそばに寄り添い、グルーミングをしたり、一緒に寝たりしていました。2匹はまるで本当の兄弟のように、互いに愛情を注ぎ合っていました。ミイミイがティコに寄り添う姿を見るたびに、私は心が温かくなりました。
今では、ミイミイは完全に回復し、ティコと一緒に元気に遊び回るようになりました。2匹はいつも一緒にいて、まるでラブラブなカップルのようです。ミイミイの目はいつも輝いていて、その姿は火災現場での悲惨な状態からは想像もつかないほどです。
この経験を通じて、私は命の尊さと愛の力を再認識しました。ミイミイを救ったつもりが、2匹がいることによって自分自身の心に余裕ができたのは、偶然ではなく、何か運命的なものを感じます。
以前は、日々の生活の忙しさに囚われて、毎日やらなければならない事を消化するだけの生活でしたが、ティコとミイミイのお世話をして、寄り添うたびに、私は心から幸せを感じます。これからも、この愛らしい2匹と共に、幸せな日々を送りたいと思います。
私のブログを読んでくださっている皆さんも、もし道端で助けを必要とする命を見かけたら、どうか手を差し伸べてください。その小さな行動が、誰かの命を救い、そして自分自身にも大きな幸せをもたらすかもしれません。